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タヌキ(アナグマじゃないですよ)を罠で獲って食べてみた。超美味かった。

今回の記事は結構ショッキングな内容&写真を含みますので、

グロテスクな画像が苦手な方は見るのをお控えください。

警告を無視して見て心的外傷を負ったとしても、

責任は負いかねますので。

 

 

 

 

------- それでも見たいという方は下へスクロールしてください -------

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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皆さん「たぬき汁」って聞いたことあります?

よく「日本むかし話」なんかで登場するので、

「名前だけは聞いたことある!」

という方が多いのではないでしょうか。

 

しかしこの「たぬき汁」、

実際は「アナグマ」の肉を使って作られたものが大半だったそうです。

本当のタヌキ汁を食べたという記録は、

実際のところそれほど残されていないんですね。

 

アナグマはネコ目イタチ科、タヌキはネコ目イヌ科なので、

そもそも科自体が異なります。完全な別種なんです。

まぁアナグマとタヌキ、見た目は似てるっちゃ似てるんですけど。

 

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ではなぜ本物のタヌキを使ったタヌキ汁に関する資料が少ないのか。

それは一般的にタヌキ肉が「ザ・不味い肉」として

知られているからだと思います。

 

例えばタヌキ肉の味をネットで検索してみると、

「激臭」だの「ワラに包んで一週間は土に埋めろ」だの、

「動物園」「犬小屋」「便所」だの、

「鍋を火にかけたら部屋が悪臭で包まれた」だの、

はっきり言ってロクな感想が見つかりません。

 

しかし、最近ではそんなタヌキ肉を食べてみた!

という記事が幾つかネット上で散見されるようになりました。

 

 ・孤独のジビエ激臭!?恐怖のタヌキ肉!

 ・食料捕獲作戦「タヌキ肉の味

 

これらのブログでは

「臭くはないけど美味くもない」

「普通に美味い」

とまぁそこそこの好評価。

 

 

しかし食べブロガーとして鈴木は一言言いたい!

 

「タヌキ(時期と個体を選べば)

超美味いですよ」

 

と!!

 

 

なぜこう断言できるのかと言いますと、

実際に自ら罠で獲って色々な調理法で食べてみた

からです。また、オス・メスでの食べ比べもしてみました。

 

もちろんプロの方にも調理してもらいましたし、

鈴木自ら素人調理でも試しています。

 

嫁さんにも食べてもらいましたし、

レストランのシェフにも、

そこで働く女性従業員の方にも食べてもらいました。

(まぁ皆さん大迷惑だったかもしれませんが、

 結果は「美味しかった~!」とのことなのでいいでしょう(笑))

 

 

鈴木は食べること、飲むことが大好きです。

このブログでも色々な食べ物系・お酒系の記事を書いてきましたが、

今回のタヌキはその中でもとびきり珍しい食材だと思います。

捕獲して調理に至るまでの流れを紹介していきますので、

皆様ぜひご覧ください。

 

 

さて、昨年の秋(2014年10月)の話ですが、

鈴木はわなの狩猟免許を持っているので、

近所の山でエゾユキウサギを獲ろうと思っていました。

 

リンゴの餌とにんじん&キャベツの餌でどちらに寄ってくるのか、

まずは両方使って試してみたんですが、いかにもウサギが好みそうな

にんじんとキャベツは全く手をつけられておらず、

「ウサギがリンゴなんて食べるかなぁ?」と思いつつ仕掛けた

リンゴの方だけが減っていくという事態に混乱していましたね。

 

混乱しつつ近くを捜索してみると溜め糞を発見。

この修正を持っているのはタヌキのみなので、

リンゴを食べているのはタヌキ(エゾタヌキ)だとわかりました。

 

今までタヌキが道路で轢かれているのは見たことがあるものの、

実際に食べてみたことはなかったので興味がふつふつと。

それに「不味い」という噂だけは聞いていたので、

それが本当かどうか自分で確かめてみたいという思いもありました。

 

そこでタヌキ用の罠を設置。

ワイヤーで作ったいわゆる「くくり罠」というやつです。

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寄せ餌(リンゴ・山葡萄)の周囲を木の棒で丸く囲い、

唯一広く開いた入口部分にくくり罠を仕掛けました。

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ウサギや鹿なんかは賢いというか警戒心が強いので、

こんな丸見えの罠だと当然シカトされてしまうんですが…

 

 

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タヌキの場合、普通にかかってくれます。

周囲を囲む木の棒が細過ぎたり、土への打ち込みが浅くて

すぐ倒れたりするようだと、さすがのタヌキも罠を回避して

餌だけ食べるんですが、くくり罠のある入口しか通れないよう

気をつけて罠を設置すれば、無理やりそこを通ろうとして罠にかかります。

もう逃げられないとわかって観念した様子がちょっと可哀想ですが…

 

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南無~。お肉になって頂きました。

胃の内容物を調査してみたところ、

コクワや山葡萄などの木の実類が大半を占めるという結果。

虫や小動物の死体などは一切入っておらず、

冬に備えて栄養価の高い木の実を沢山食べているといった感じでしたね。

 

ちなみに、先ほどは半割りにした内臓側の写真でしたが…

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外側はご覧の通り!赤身部分が見えません!

とんでもない脂の乗り方です。

 

腿の脂が一部剥がれてしまっていますが、

これは鈴木の裁き方が下手だったせいで、腿も脂はノリノリでした。

 

「こ~れは不味いわけが無い!」

 

まずは捌いたときに出た肉の小片を塩胡椒で焼いて…

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パクリ。

 

「う…うまッ!!!!!!!!!!!!!!!」

 

驚くなかれ、めっちゃくちゃ美味しいです。

まず脂の口当たりが良い!融点が低いんでしょうか。

捌いてる時からトロトロしてたので「おっ?」と思ったんですが、

予想以上に脂の口当たりが滑らかで口中でとろけます。

 

そして食べている餌が良いのもあると思いますが、

脂の持つ香りが実に香ばしい!大変食欲をそそります。

ラムに似た、弱めの特有の香りも感じることは感じるんですが、

決して不快な臭いではなく風味として感じられる「香り」です。

 

肉質は他のブログで読んだ通り、少し硬め。

ただ、これは念のためと思いしっかり火を通したからで、

オーブンなどで火の通し方に気をつけて調理すれば、

しっとりとした状態で柔らかく食べられるでしょう。

 

なんにせよ、実に美味しい肉です。

鈴木はホンシュウジカ、エゾシカ、ヒグマ、ツキノワグマ

イノシシ、ノウサギアナグマなど様々な獣系ジビエを食べてきましたが、

このタヌキは明らかに3本の指に入る美味しさでした。

 

もちろんこの個体が特別に脂が乗っていて、

餌が良かったというのもあると思います。

 

が、鈴木がこのタヌキを捕獲したのはごくごく普通の近所の山なので、

時期を選んで捕獲すればこのタヌキと同じくらい脂の乗った個体に

出会うことはそれほど難しくないはず。

 

そう考えると、来期はもっと積極的にタヌキを狙おう!

なんて思ってしまいましたね。

 

 

 

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さて、続いてはタヌキ汁を作ってみます。

この脂がノリッノリの腿肉から…

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大腿骨などの骨を外し…

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目立つ筋を取って精肉します。

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良く切れる包丁で腿肉を薄切りにしたら…

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タヌキ肉と大根、人参、かぼちゃ、ごぼうなどの根菜類、

そしてダシ取り用のタヌキの骨をごま油で炒めます。

 

それはもう、素晴らしく食欲をそそる香り…

 

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地元の名水を注いでしっかり煮込めば…

ご覧の通り、美味しそうな黄色い脂が浮いてきました。

もちろん灰汁(アク)取りはしっかりしましょうね。

 

最後に白味噌を入れて更にじっくり煮込めば…

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できました!タヌキ汁、完成です!!

 

タヌキのい~いダシが出ています。

この身体があったまる感じ、熊を食べた時に似てるかも。

なんとも深みのある、こっくりした味の汁に仕上がりました。

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合わせる日本酒は「竹鶴」で。

コクのあるタヌキ汁に負けない、パンチのある味で対抗します。

いや~幸せ。こいつは美味いです。やばいです。

 

 

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後日、よく行く市内のレストランでタヌキの肉を調理してもらいました。

たまたまジビエを扱うのが好きなシェフだったから良かったものの、

そうじゃなかったら何の嫌がらせかと思われるでしょうね(^_^;)

 

でも…

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こ~んな風に、背肉を美味しくコンフィ(油煮)にしてくれました!

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肉の量が結構多いですが、サラダ仕立てにしてあるので飽きずに頂けます。

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当然赤ワインと合わせて…

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速攻完食!!

コンフィにするとタヌキの脂の旨みがよりクローズアップされますね。

噛めば噛むほど旨みが出る、まさにジビエ!という美味を堪能しました。

 

 

後日獲れたオスのタヌキも食べてみましたが、

こちらの方がやや獣臭が強いものの、

ラムが食べられる人なら全く問題無いレベル。

 

何より、脂の旨みが素晴らしいです。

こんなに美味しいのになぜ一般の方には知られていないのでしょうか。

鈴木の周りには先輩猟師さんが沢山いますが、

タヌキを食べたことがあるという人はほぼ皆無。

 

キツネやエゾシカと違ってタヌキはほぼ完全な夜行性なので、

鉄砲で撃つ機会が無く、よって食べる機会も殆ど無かったようです。

 

ただ、唯一タヌキを食べたことがあるという先輩猟師さんいわく

「タヌキは美味いよ~!?知ってるの!?」とのこと。

どうも猟師さんの中でも知る人ぞ知る美味・珍味だったようです。

 

鈴木もタヌキの美味さに目覚めてしまったので、

今年は積極的に捕獲して食べていこうと思っています。

エゾライチョウの雛がタヌキに食べられる確率も減りますしね。

 

 

いやはや、

こんなマニアックなブログに付き合って頂きありがとうございました。

 

この記事を見て

「タヌキを食べたい!」

と思った奇特な方は、ぜひ以下の手順でタヌキを狙ってみてください。

もちろん罠の狩猟免許を取得するのを忘れずに。

鉄砲は所持するまで大変ですが、罠のみであれば割と楽ですよ。

 

 

【タヌキを捕獲するまで】

 

 1.(余裕があれば)トレイルカメラを買う

 2.リンゴやキウイなど、果物類の寄せ餌を安い時に買い込んでおく

 3.タヌキが来そうだな~と思うところに寄せ餌を撒く

 4.トレイルカメラを設置する

 5.数日後カメラを確認し、タヌキが餌を食べに来ているか確認

 6.食べに来ているようならくくり罠か箱罠を設置

 7.タヌキゲット!

 

トレイルカメラは色々なものが発売されていますが、

こちらのモデルが安くて防水効果もあるのでお勧めです。

 

 

また罠は箱罠とくくり罠がありますが、

箱罠の方が初心者の方には簡単だと思います。

ちょっと高いですがこちらはどうかなと。

 

箱罠を木の枝や葉っぱで偽装して、

かつ金属特有の匂いを抑えるため、土を溶かした水に漬けておくなど、

多少の工夫は必要です(作動部が錆びないようにする必要はあります)。

 

また、箱罠に誘導するように餌を撒いていくのもいいですね。

タヌキは餌があるとわかると毎日のように見回りに来るので、

一度姿を確認できれば獲ることは案外容易です。

もし獲れたらぜひコメントで報告してほしいものです(笑)。

 

 

いつも当ブログを読んでくださっている皆様へ、ブログお引越しのおしらせです。

 

当ブログのURLが変わります。

新しいURLは

http://taberunomuasobu.blog.jp/

 

携帯電話の方は

http://taberunomuasobu.m.blog.jp/

 

になります。

ブログ開設からまだ日も短い中、唐突な引っ越しの連絡に「えー(´・ω・`)」と思われた方もいらっしゃるかと思いますが、これから更新頻度を上げていきたいと考える中、更新する際の操作性や自由度等を考慮し、早い段階で引っ越しした方がいいんじゃないかという結論に至りました。

引っ越し先はまだ荷物が片付いていないような状態ですが、

これからも鋭意制作していきますので、引き続きご愛読の程よろしくお願いいたします。