銘酒「郷の誉」を醸す日本最古の日本酒蔵、須藤本家。
今回は自分の一番好きなお酒である日本酒のことを。
「須藤本家」という茨城県の酒蔵をご存知でしょうか?
なんと1141年(平安時代です!)の頃から酒造りを
していたという記録が残る日本最古の酒蔵(日本酒蔵)です。
この蔵はただ古いだけでなく、
どの蔵よりも先に先進的な物事に取り組むことでも有名です。
獺祭 純米大吟醸 磨き三割九分 720ml【旭酒造】【山口県】 |
例えば、最近テレビでもよく見かける山口県の獺祭(だっさい)。
ここは味はもちろん、販売するお酒が全て大吟醸以上のクラスで
あることも有名ですよね。
しかし、須藤本家はその遥か以前から「普通に」
大昔は本醸造などもあったようなのですが(美味しかったらしいです)、
現在は全量が純米酒で純米吟醸以下のクラスのお酒は販売していません。
郷の誉「黒吟」純米吟醸無濾過生詰原酒 720ml■ |
そして最近酒屋さんに行くとよく見る「生酒 無濾過」の文字。
これは殺菌のための火入れをせず、かつフィルターを通して
不純物を除くということもしていないことを指しますが、
こういったお酒を日本で初めて出荷したのもこの須藤本家です。
当時は冷蔵輸送技術が発達していなかったのでリスキーな試みだったと思いますが、
やはり酒蔵で飲むような本来の日本酒の味が楽しめるのは「生酒 無濾過」ですからね。
消費者に本当の味を知ってもらいたいという思いがあったのだと思います。
郷の誉「熟成純米吟醸」 1800ml■ |
さて、もうひとつ、この蔵にはとても珍しい特徴があります。
それは「伝承古式仕込み」という、日本でもこの蔵にしか
伝わっていない製法で日本酒造りをしているということです。
酒造りの責任者である「杜氏」さんですらその全貌は知らされておらず、
詳細な製法を知るのは須藤本家の当主のみとのこと。
ちょっとオカルトの匂い漂う、謎めいた蔵でもあるんです。
郷の誉「山桜桃(ゆすら)あらばしり2015」純米大吟醸無濾過生々 720ml■ |
そんな妖しい魅力のある須藤本家のお酒。
鈴木は自分の結婚式でも各テーブルに置いてもらい、
ご列席頂いた皆さんに飲んでもらったことがあります。
もともと今の嫁さんとは日本酒好きなことで意気投合した部分もあるので、
それをアピールするという狙いもありました。
その時に皆さんに振舞ったのが上の「山桜桃(ゆすら)」。
須藤本家のお酒の中では中くらいのクラスのお酒ですが、
フルーティでキラキラした味わいは十分に楽しんで頂けたかと思います。
この蔵の酒に関しては、絶対冷蔵庫で冷やした方が美味しいですね。
た、だ!
この蔵の本当の力、
「伝承古式仕込み」という特殊な製法が生み出す、
明らかに他の日本酒とは異なる香り・味・滑らかさを実感するなら…
「花薫光」を飲まずして語れません!!!
郷の誉 純米大吟醸生「花薫光(かくんこう)」720ml垂れ口あらばしり 平成26年度醸造■ |
獺祭の最高ランクである「磨き 二割三分」や、
黒龍の「仁左衛門」「石田屋」など、世の中には美味しいお酒が
沢山、それはもう沢山あります。初めて飲んだ時のことは今でも思い出せます。
しかし「花薫光」を開けた時の衝撃、
そして口に含んだ時の驚きは上記2つの蔵の比ではありませんでした。
まず香りがあまりにも強烈です。
バナナやマスカットにパイナップル、そしてイチゴのような、
とても複雑に混じりあったフルーツの香り。
そしてその味わいたるや…
まぁ、普通の日本酒からは完全に逸脱していると思います。
とある有名な日本酒販売サイトでは
「ストロベリーのような香りに絹のような舌触り」と書いていましたが、
(絹なんて口に入れたことないですけど)その表現はぴったりだなと感じました。
記憶に残る味なのは間違いないです。自分が知る限り「最も味が綺麗」な日本酒です。
ただ、あまりに味が華やか過ぎるので沢山飲めるタイプのお酒ではありません。
7~8人で集まった時に「ちょっとこんなのがあるんだけど…」と出して、
封を開けてその香りに驚き、飲んでその味にまた驚き…と、
わーわー騒いでいるうちに無くなってしまう…そんなハレの日的な
飲み方が一番合うんじゃないでしょうか。
郷の誉 純米大吟醸生「花薫光(かくんこう)・山渡」720ml写真はイメージです。■ |
ちなみに「花薫光」では香りと味が強烈過ぎて、
一人では飲みきれる自信が無いという方には「花薫光 山渡」がお勧めです。
通常の「花薫光」よりも香りと味が穏やかで、飲みやすい仕上がりです。
ただ、余韻はしっかり残るのでこれは逆に一人でじっくり味わいたいお酒ですね。
ちなみに須藤本家のお酒には1本20万円以上もする、
「松寿千年翠」という秘蔵酒があります。
これは須藤本家のお酒の中でも特別に良いものを26年もの間寝かせた、
いわゆる「古酒」のカテゴリに入るお酒です。
先ほど「花薫光」の飛び抜けた個性を紹介しましたが、
この個性が26年という年月を経てどのように生まれ変わっているのか…
価格が価格なのでさすがに鈴木も飲んだことはありませんが、
一度味わってみたいものだと思います。
郷の誉 純米大吟醸新酒生「花薫光(かくんこう)」垂れ口あらばしり 1800ml※箱入■ |
余談ですが、海外へ日本酒を売り込み始めた第一人者もこの須藤本家です。
その当時から須藤本家のお酒は非常に評価が高く、
当主がロマネ・コンティの醸造元に「花薫光」を手土産として持っていった際、
社長のオーベルド・ビレーヌ氏に「このボトルは70万円くらいか?」
と聞かれたという逸話が残っています。
まぁ「花薫光」も昔の日本では7000円弱で売られていたそうですが…
そのくらい飛び抜けた個性と品質を備えたお酒だったということですね。
ちなみにアメリカのレストランで「花薫光」を飲もうと思うと、
1ボトル100万円以上かかるお店もあるのだとか。
そこまでいってしまうと「ほえ~」と言うしかないですが、
「今まで味わったことの無い、衝撃的なお酒を楽しめる代価」
と考えると、その金額もあながち適当な感覚ではないんだろうなと思います。
値付けをしているソムリエさんは高価なワインを沢山飲んでいるでしょうし、
「これだけの味ならこの値段で出すべき」
という判断基準があるんでしょうね。
美味しいと評価されたワインはどんどん値段が上がっていくと言いますし、
日本酒もそれだけのポテンシャルがあるということかもしれません。
それに、今まで飲んできたお酒の中で、
あの香り・味に近い日本酒があるかと聞かれると正直なところ思い当たりませんしね。
郷の誉 純米大吟醸新酒生「花薫光(かくんこう)」垂れ口あらばしり 1800ml※箱入■ |
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